第29回 バーの名前はアンダーカレント。
バーの名前はUndercurrent(アンダーカレント)。
ワカヤンさんとタカオさんのご夫婦が営むお店で、ジャズの生演奏をやっていた。
とにかくおしゃれな店だった。正直、東京でもこんなバーは見たことがなかった。洗練されていて、親密で、さりげなくかっこいい。特別な空気が流れていた。
ボーカルのワカヤンさんは、まさに日本のサラ・ヴォーン。
そしてタカオさんは、ジョー・パスの生まれ変わりだった。
当時、僕もプロのギタリストにレッスンを受けていた。大学に入ってから作曲の勉強を始め、ジャズも習っていた。
作曲ではコード進行にジャズをよく取り入れていたが、自分のギタープレイにはあまりジャズを持ち込まなかった。
洗練されたジャズの音は、どうも自分の性に合わなかった。僕が惹かれたのは、ブルースの泥臭くて生々しい感じだった。
それでも、タカオさんのジャズギターには本当に度肝を抜かれたのを覚えている。
そこで、ひらめいた。
ラジオ番組のお題のひとつは、バーの曲を作ること。アンダーカレントの曲にすればいいじゃないか。
ただ、ひとつ問題があった。生放送には、そのお店の人をゲストとして連れて行かなければならない。
なんとかワカヤンさんの了承をもらい、マンションに帰ってすぐに曲を作り始めた。。。
ちなみに、この写真の瓶は、その夜、帰り際にお店でもらった泡盛だ。

あれから23年、今も手元にある。
一度も開けていない。
まだ飲めるのかな。。。
続きは次回。